資格はいらない
日経ビジネス 林 則行 氏 からの引用
【英検1級を目指すと英語の上達が遅れる】'
英検1級を目指すのは「労多くして功少なし」です。難しい単語の暗記や聞き取りの練習に嫌気がさしてしまいます。合格したとしてもまだ「英語で考える」力はついていません。銅メダル時代は日本語から英語へと頭を切り替えることを最優先すべきです。今日は銅メダルの上位から銀メダルを目指すかた向けのアドバイスです。
「英語で考える」が最大の難所
銅メダル(英語力20点)には誰でも簡単になれる、というのがこのコラムの基本的な主張です(『銅メダル英語でここまでしゃべれる』参照)。これまでたくさんの時間をかけたのに、ネイティブとのコミュニケーションが取れなかったのは、「正統な英語を覚える」という学校式の勉強に終始してきたからです。「通じればいい」という観点に立てば、銅メダルのまん中くらいまでは難なくたどりつけます。
しかし、銅メダルでも上位になるにつれて、さらに上達するための道のりが険しくなってくるのは確かです。つらい時期が来る前で自分の英語力を留めておくというのも一つの見識だと思います。しかし、今日は敢えて、その上を目指そうという方に向けて、最も楽な方法についてお話しします。
英語の勉強には越えなくてはならない高い山が待っています。それは銅メダルの後半からから銀メダルにかけてやってきます。この難所とは「英語で考える」ことです。最初のうちは日本語で発言内容を考え、それを翻訳して口にします。少しずつですが、この翻訳のプロセスを踏むことなく、英語で考え、英語で直接話せるようになってきます。
この高い山は語学特有の試練ではないかと思います。「日本語で考える」から「英語で考える」に切り替えることは、ある意味で日本語を捨てることになるのですから大変です。しかも、ここが語学学習の本質ですから、初期からこれに取り組まなくてはなりません。
ぼくの場合、投資の仕事においてプロレベルの実力をつけるまでに、高いハードルがやって来ることはありませんでした。一般に、職業に必要な技量を向上する過程において、初期段階で高いハードルが来ることはないのではないでしょうか。
単語の暗記なら、「1日1語覚えれば、1年後には365語覚えられる」といった目標が立てやすいでしょう。毎日ちゃんと覚えていけば、「少しずつだが、確実に目標に近づいている」という安心感があります。
一方、「英語で考える」のは頭の中の質的な変化ですから、目標に対してどの程度進んだのか、後どのくらいの期間でできるようになるのかがはっきりとは分かりません。山が高いだけでなく、先が見えない。二重に苦しいのです。ぼく自身、「本当にできるようになるのだろうか」と不安になったことが何回もありました。
英検1級を目指すと余計な負荷がかかる
世の中には試験合格を励みにして勉強する方が多くいます。漢字を書くだけならばわざわざ試験を受ける必要はないのですが、それでも漢字検定が人気を博しています。こうした傾向を見ると、日本人の勉強好きを感じます。
その意味では英検1級やTOEICのためにコツコツと勉強するのは素晴らしいことです。否定するつもりはありません。でも、コミュニケーションのための「通じる英語」を身につけることが目的なら、実りの多い方法が良いとぼくは思います。
感想
これは、林 則行さんというコロンビア大学MBA合格した方の記事の引用です。
同感です。
着地点を明確にして、自分に必要な英語力を身につけることが
得策だと感じています。
英検一級は確かに素晴らしい資格です。
しかし、
英語というのはスポーツと同じように頭の中の知識を増やすだけではなく、
今持っている知識を瞬時にoutput出来るように
一定期間の訓練を要します。
まずはinputした知識と outputできる知識の差を出来るだけ埋めて、
その上で自分の専門分野の英語力を身につけて、
その後に英検一級が必要であれば取得すればいいのかと思います。